洗い清められなさい－回心の類型論

それは簡単明瞭な話です。　しかし、それには深い意味が含まれています。　あなた方が未だ救われていないならば、それを慎重に聞かなければなりません。　あなた方は行動に移さなければなりません。　それは、真に救われる唯一の道を示しています。

それは簡単明瞭な話です。　それはあなた方が救われ、真のクリスチャンになる唯一の方法を示すために、聖書に記されたのです。

ナアマンは偉大な人物でした。　彼はシリア軍の指揮官で将軍でした。　彼は勇敢な兵士でした。　彼は王から尊敬されており、非常に自尊心のある人でした。　しかし、彼は恐ろしいらい病に食い尽くされていました。　彼はらい病で死にかけており、それを知っていました。　彼は全てを尽くしましたが、何も彼の病気を癒す事は出来ませんでした。　一人のへブライ人の若い娘がナアマンの家で働いていました。　彼女は彼に、イスラエルに一人の預言者がおり、彼はらい病を治す事が出来るでしょうと話しました。　彼は全てを尽くしましたが、何も彼の病気を癒す事が出来なかったのです。　最終的にナアマンは、「この預言者は自分を癒す事が出来るかもしれない」と思いました。　それは彼の病気を癒す最後のチャンスだったのです。　だから彼は、神の預言者エリシャに会いに行きました。

預言者エリシャは真に神の人でした。　もし彼が家を出て行き、ナアマンの為に祈ったならば、その人は、その預言者が彼を癒したと思われるでしょう。　その預言者は、ナアマンを癒したのは彼自身ではなく、神である事を知ってほしかったのです。　そうしてナアマンは彼の戦車で、預言者エリシャの家の戸口まで行きました。　しかしその預言者は外に出て来ませんでした。　そして彼はナアマンにメッセージを送りました。

“ヨルダン川へ行って七たびあなたの身を洗いなさい。そうすれば、あなたのからだが元どおりになってきよくなります。”（列王第二5:10）。

その事はナアマンを非常に怒らせました。　「何という事だ、この預言者は私に会いに出て来ようともしない！　自分を誰だと思っているのか？」　彼は、その預言者は彼に会いに出て来て「この患部の上で彼の手を動かし、このらい病を直してくれる」と思ったのです。　ナアマンは、その預言者はベニー・ヒンのような人物であろうと思ったのです。　彼は素晴らしい奇跡をして見せ、自分が偉大な信仰療法者であるとナアマンに思いこませるであろうと。　しかし預言者エリシャは、全ての栄光を神に帰す事を望みました。　彼は単にナアマンにこのようなメッセージを送っただけなのです、

“ヨルダン川へ行って七たびあなたの身を洗いなさい。そうすれば、あなたのからだが元どおりになってきよくなります。”（列王第二5:10）。

ナアマンは非常に怒りました。　彼は怒って帰途につこうとしました！

その時、ナアマンの僕が、「あの預言者が、もしも、むずかしいことをあなたに命じたとしたら、あなたはきっとそれをなさったのではありませんか。　ただ、彼はあなたに『身を洗って、きよくなりなさい。』と言っただけではありませんか。」　彼は、「では、預言者エリシャの告げた通りにしよう」と考えました。　彼はヨルダン川に行って、七たび身を浸しました。　「すると彼のからだは元どおりになって、幼子のからだのようになり、きよくなった」（列王第二5:14）のです。

多くの素晴らしい説教がこの聖句から説教されています。　スポルジョンのような偉大な説教者達が、ナアマンのらい病の清めは、イエスが十字架で流した血による罪の清めを描写している、と語ったメッセージは正しかったのです。　今朝、あなた方を、あなた方の罪からどのように救い清めるかを示す、このナアマンのメッセージに耳を傾けて下さい。

I. 最初に、彼はらい病者であった。

“この人は…、らい病にかかっていた。”（列王第二5:1）あなた方も同様です。

あなた方は罪というらい病で満ちています！　罪なるらい病は、初めの罪人アダムからあなた方へと受け継がれました。　使徒パウロは、このように告げています、

“ちょうどひとりの人によって罪が世界にはいり、罪によって死がはいり、こうして死が全人類に広がった…。”（ローマ5:12）

正に今朝のあなた方を描写するものです！　ワッツ博士は、あなた方の状態をこのように賛美歌で描写しています。

主よ、卑劣な我は、罪の中に宿り
   不潔、不聖で生まれたり
ひとの罪は、人類を堕落せしめ
   我ら全てを汚さん

見よ、我は汝の御顔の前に崩れん
   我が唯一の避けどころは、汝の恵みなり
我を清める外からの治癒はなし
   我が心の奥に、深く不治の病は潜ばん
(Dr. Isaac Watts, 1674-1748).　直訳

罪なるらい病は、あなた方の内に「深く潜んでいる」のです！　それは今朝のあなた方を描写しています！　「罪なるらい病は深く潜んでいる」のです！　イエスはこのように言われました、

“内側から、すなわち、人の心から出て来るものは、悪い考え、不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、よこしま、欺き、好色、ねたみ、そしり、高ぶり、愚かさであり、これらの悪はみな、内側から出て、人を汚すのです。”（マルコ7:21-23）

それは 邪悪な思いに満ちた、あなた方の心を描写しています。　あなた方の心は罪なるらい病で満ちています！

我を清める外からの治癒はなし
我が心の奥に、深く不治の病は潜ばん

そうではないですか？　そうではないですか？　あなた方はそれが真実である事を知っています。　そして外からの［外見的な行いは］あなた方を清める事は出来ません！　決意あるいは祈りは、あなた方を清める事は出来ません！　感じる事あるいは学ぶ事は、あなた方を清める事は出来ません！　あなた方はそれを知っています！　あなた方の心の奧に「［罪なる］らい病が潜んでいる！」　それをあなた方は知っています―そうではありませんか？

あなた方はそれが真実である事を知っています！　あなた方は外見的な罪を犯す以前に、それを知っていました。　あなた方はそれを故意に犯したのです！　あなた方は自分がしていた事を、正に知っていました。　あなた方は、それが誤っていると知っていながら、なぜ罪を犯したのですか？　あなた方は回心していない状態にいながら、罪を好んだのです。　あなた方は罪を楽みました。　あなた方は喜んで罪を犯しました。　罪の体験を好みました。　それが悪い事と知りながらもそれを好みました。　ですから、あなた方は自分達の邪悪な状態について真実を聞くのを嫌うのです！　私が、あなた方の邪悪な心について真実を語るのをあなた方は嫌います―そうではないですか？　真実を聞く事は、あなた方を罪に定め、あなた方を不快にさせます！　らい病が心の奥に潜んでいる！　あなた方の心は曲解しており、ゆがんでいます。　あなた方は、善良で正しいことよりも喜んで罪を犯します。　らい病はあなた方の不信な邪悪な心の奥に潜んでいます。　それは私の言葉ではありません。　私は、あなた方のような邪悪な心についてよく理解した、医師、マーティン・ロイド‐ジョーンズ博士の言葉を引用しているのです!

II. 二番目に、ナアマンは、清められる方法を彼に告げる預言者エリシャに怒った。

預言者エリシャが彼に、“行って身を洗いなさい”と告げた時に、ナアマンは怒って去りました。　彼は「私は［預言者エリシャが自分の為に祈ってくれる］と思った」と言いました。　「私は、思った」、あなた方は救われる為に何をするべきかを知っていると思っています。　「私は、思った」、あなた方の誤った思いを取り除きなさい！　救いに関する自分の思いについて、思いめぐらしを取り除きなさい。　あなた方は、救いに関して何も理解していません！　ムーディはこう言いました、

ナアマンには自分の病気―自尊心とらい病があった。自尊心はらい病と同様、清められなければならなかった。ナアマンは、告げられた通りに、自分の誇りとする馬車から降り、その後で身を洗わなければならなかった。

それが、今朝、あなた方に起こらなければならないことなのです。　あなた方が救われたいならば、それをあなた方はなさなければならないのです。　「あなたが考える」事を取り除きなさい。　あなた方の自尊心と救われる方法についてのあなた方の考えを取り除きなさい。　あなた方は、告げられた通りに、洗い清められなければなりません。　“身を洗いなさい。　そうすれば、…きよくなります。”　失われた邪悪な人のままでイエスに来なさい。　イエスに来なさい。　彼が十字架であなた方を清める為に流された血によって、あなた方の邪悪な心を清めて下さるでしょう。　“御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます。”（ヨハネ第一1:7）　“洗い清められなさい！”

しかしあなた方は、自分の自尊心に打ち勝つまで、清められないでしょう。　あなた方の心は変わらなければなりません。　あなた方が悔い改めるまで、あなた方は赦されません。　あなた方の心が変わらなければならないのです。　あなた方は、自分の利己心を感じさせられなければなりません。　あなた方は救われたいと望まなければなりません。　あなた方は救いを感じたいと思っています。　あなた方は自分が救われた事の確信を求めています。　しかし、あなた方は自分自身を変える事を望んでいません。　あなた方が利己的な生活を続けていけるように、救われたいだけなのです。

回心は、完全な心の変化を示します。　あなた方自身の生まれ持った本性は誤っているのです。　あなた方の心自体が誤っています。　あなた方の本性は芯まで腐っています。　あなた方の内なる変化は、徹底したもので、自分自身に対して死に、完全に変わった新たな人生、すなわち、自分自身では無く、神を喜ばすことを重視する人生へと、新たに生まれるのです。　多少の罪を断念することは、助けにはなりません。　単に教会へ来て、単に祈りを唱える事は、助けにはなりません。　あなた方は、新たな本性、完全に変わった新たな命を得なければなりません

ジョン・ケイガンの回心への奮闘に耳を傾けて下さい。　「私は自分というものにうんざりしていました。　自分の罪が私を自覚させた時でさえ、私はイエスを求めませんでした。　私は救われようと試みました。　私はキリストを信頼しようとしたけれど、出来ませんでした。　私はクリスチャンになる事に（決意）出来ませんでした。　それは自分を非常に無力に感じさせました。　自分の罪が私を地獄へと突き落とそうとしているのを感じました。　それでも自分の頑固さは涙を遠ざけました。　私はこの奮闘に行き詰りました。」

今朝、あなた方はいくらかでもそのように感じていますか？　もしそうだとしたら、なぜそうなのでしょうか？　なぜなら、あなた方は心の変化なしに救われることを望んでいるからです。　あなた方は心の変化もなく、クリスチャンとして私達に受け入れられることを望んでいます。　しかし、それは不可能です！　あなた方は新たに生まれなければなりません。　あなた方は、人生そのものよりも神を愛する新たな心がなければなりません。　あなた方は悔い改めなければなりません。　あなた方は自分の状態を嫌悪しなければなりません。　あなた方は自分の自尊心を断念しなければなりません。　そうでないならば、あなた方は自分の罪によって死んでしまいます。　あなた方の心は罪なるらい病によってコントロールされています。　ジャック・ナンは、「あなた方が自分自身を嫌うように、神に仕向けられなければならない」と言いました。

我を清める外からの治癒はなし
我が心の奥に、深く不治の病は潜ばん

ムーディは正しかったのです。

ナアマンには自分の病気―自尊心とらい病があった。自尊心はらい病と同様、清められなければならなかった。ナアマンは、告げられた通りに、自分の誇りとする馬車から降り、その後で身を洗わなければならなかった。

ジョン・ケイガンは、「これ以上自分を抑える事が出来ませんでした。　私にはイエスが必要でした。　その瞬間、私はキリストに抵抗することを断念しました。　私がなさなければならなかったことは、イエス・キリストを信頼することだった事が、正にはっきりと分りました；途絶えたのは自分であり、それはキリストのみであった時を、思い出す事が出来ます。　・・・私は自分の罪に背を向け、イエスのみに目を向けました！　・・・イエスは［私の心の罪を取り去り］、そうして私に愛を示されました。　・・・イエスは全ての私の罪を清めて下さいました。　イエスは私に新たな命を与えて下さいました」と言いました。

あなた方が神の御子、イエスを信頼するその瞬間に、“御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます。”（ヨハネ第一1:7）　全ての罪から！　全ての罪―心の罪、また実際に犯した罪―全ての罪はイエスの血によって清められなければなりません―神の御子、イエスの血によってのみに。　イエスはあなた方の罪を清める為に、十字架で御自分の血を流されました。　なぜそうなさったのでしょうか？　なぜなら、イエスはあなた方を愛しているからです。　イエスは御自分の血で、あなた方を清めることを望んでいるのです！

我が罪を洗い清めることの出来るのは？
   イエスの血の他になし
我を再び完全にすることの出来るのは？
   イエスの血の他になし
あぁ！　尊い血は流れん
   我を雪のように白くすることの出来る血
他のものを、我は知らず
   イエスの血の他になし
(“Nothing but the Blood” by Robert Lowry, 1826-1899). 直訳

あなた方は今まで十分な罪を犯してきました。　あなた方はジョン・ケイガンのように救われることを望みました。　彼のようになることを切望しました。　しかし、あなた方は、それは不可能と思い込みました。　自分は奇妙過ぎると思いました。　しかし、あなた方は間違えています！　イエスはあなた方を愛しています。　イエスは誰よりもあなた方を愛しているのです。　もし人々があなた方の心の罪を知ったなら、彼らはあなた方を愛さないでしょう。　しかしイエスは、どうであろうと、あなた方を愛しているのです。　イエスは、“私の所に来なさい。　・・・私の血によって清められなさい。”と告げられているのです。　イエスは、“洗い清められなさい！と言っているのです。　そうして、いつか天国で、あなた方はこう歌うでしょう。

“イエス・キリストは私たちを愛して、その血によって私たちを罪から解き放ち、”（黙示1:5）

「洗い清められなさい。」　グリフィスさん、ここに来て『Yes, I Know』をもう一度歌って下さい。

あなた方が清くなりたいならば、前方の座席に座って下さい。　私達はイエスを信頼することについて、あなた方とお話しします。

チャン先生、ここに来て彼らのためにお祈り下さい。　それから、今からフェローシップホールでいただく食事の感謝を捧げる祈りもお願いします。　アーメン。

（説教終了）
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ベンジャミン・キンケイド・グリフィス氏による説教前の独唱：
“Yes, I Know!” (by Anna W. Waterman, 1920).