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紛争の人生R. L. ハイマーズ Jr. 神学博士 著 ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて A LIFE OF CONFLICT by Dr. R. L. Hymers, Jr. A sermon preached at the Baptist Tabernacle of Los Angeles “私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです”。 (エペソ人への手紙第6章12節、新改訳) |
今朝、私達は素晴らしい時間を過ごしました。 私達の教会は再び活気づくでしょう。 しかし、それには重大な側面があります。 私達が満足することだけでなく、真剣に取り組むことにも目を向けなければ、私達は決して勝利を目にすることは無いでしょう。
ヘンリー・M・モリス博士は、「目に見えない幕が、神の民に対する激しい霊的な力を垣間見させる為に微かに開かれた。 神は、“無数の御使い達”(へブル12:22)を創造され、少なくともこれらの御使い達の三分の一が、神と神の民に対する長期に渡る戦いで、悪魔に従ったのである(黙12:4, 7)。 これらの[悪魔による力]は、主権と力、この暗やみの世界の支配者達の大いなる階層へと組織化された」(Henry M. Morris, Ph.D., The New Defender’s Study Bible, Word Publishers, 2006; note on Ephesians 6:12)と言いました。
“私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです”(エペソ6:12)。
この聖句は、クリスチャンの人生は、紛争の人生であることを示しています。 しかし、多くのクリスチャンはそのことを忘れ、私達の教会のある人達に於いてもそうです。 マーチン・ロイド‐ジョーンズ博士は、「我々は、クリスチャンの生活が、どれほどまでに、実践的な戦いであるかを考えるであろうか?・・・クリスチャンの教会は、この必須なる新約聖書の真実を見失っている、と私は示唆する。・・・私は、[私たちの多くが]クリスチャンの人生は、紛争の人生であるという感覚を失っていることを恐れる。・・・我々は、戦わなければ滅ぼされて(負かされて)しまうであろう;我々は敵に陥ってしまうであろう」(Martyn Lloyd-Jones, The Miracle of Grace and Other Messages, Baker Book House, 1986, pp. 105, 106)と言いました。
必要なのは回心だけであると考える傾向が私達にはあります。 回心の後のクリスチャンの生活は―ロイド‐ジョーンズ博士が言ったように、「くつろぎの肯定的な状態」(同著p. 105)、と私達は考えます。 それほど真実に程遠いものはありません! 私達のテキストは、私達は悪魔と悪霊達との継続的な闘争であると言っています!
時々私は、自分がこの俗世間からの回心者であることを嬉しく思います。 教会で育った子供たちは、そんなにも簡単に、全てが銀の皿に載せられ、彼らに備えられています。 彼らは、教会で奮闘し戦う必要は無いのです。 もし私が教会で育っていたならば、油断が出来ないこと、自分が戦いの中にいること―そして、自身で戦いに直面するには、私は到底弱すぎることを、私は最初から知ることは無かったでしょう! ですから私の生涯の聖句は、“私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです”(ピリピ4:13)となりました。 この聖句は、サタンとのこの紛争、この戦い、この戦いの場を貫くにはあまりにも私は弱すぎるということを、私に示しています。 キリストのみが、幾多の戦いを貫いていく為の力を私に与えてくださることが出来るのです。 ある人が私に、私は挑む戦いを探していると言いました。 それは真実ではありません。 実際は、多くの説教者たちのように逃避することを、私はしないだけです。 もし逃避しないとしたら、戦いを貫かなければならないのです。 なぜでしょうか? なぜなら、悪魔は実在するからです! 私は弱く、無力で、倒れる寸前にまで何度も来ました。 そういう時に私は、自分の薄弱で乏しい信仰を持って、このテキストを口ずさみ、そのメッセージに頼ることだけが出来たのです。 “私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです”。 私のように薄弱の者だけが、その約束の価値を知ることが出来るのです!
息子のレスリーは、私に自叙伝を書くようにと言いました。 私は150ページほど書きました―しかし、それを中断しました。 そのような気を落とさせる本を、誰も読むとは思いません―なぜなら、それは奮闘、戦い、そしてほぼ敗北に近い話となるからです―数少ない明るい話と長々とした奮闘の生涯だからです。 最終的に私は神に、素晴らしい話で終わるように、そして私達の教会がリバイバルを体験しない限り、私はこの本を書き終えることは出来ないと言いました。 神は私に、「ロバート、それならそれをしまって、リバイバルを待ちなさい―もし私がリバイバルを送らなければ、この本を書き終えなくてもよい」と言われたように思いました。
しばしば、福音が説教される居心地のよい教会で育たなかったことを、私は嬉しく思います。 失われた孤独な世間から出て来たことは、私を長期の戦いに備えたのです。 なぜなら、クリスチャンとして生きて行くことは、非常に困難であろうことを、そして、一段階毎に、キリストの力によらなければならないことを、私は初めから知ったからです。 そうでなかったならば、私は永遠に失われていたでしょう! ですので私は牧師になったのです。 私が回心した後、自分は戦いの中心に居なければならないことを知っていました。 もし私が継続して戦いの場にいないならば、私は神から遠ざかっていたでしょう。 私が二十才に救われて以来、そのことを知っていました。 他の人達は、困難もなく生きて行けるでしょう。 しかし、私は常に戦にいなければなりませんでした―イエスのように、パウロのように、へブル人への手紙第11章の信仰のヒーロー達のように! 私は、パウロが若きテモテに言わんとしたことを理解しました。
“信仰の戦いを勇敢に戦い、永遠のいのちを獲得しなさい” (テモテ第一6:12)。
そして更に、使徒パウロがその若者に語ったように、
“キリスト・イエスのりっぱな兵士として、私と苦しみをともにしてください”(テモテ第二2:3)。
私は困難に耐えなければなりませんでした。 信仰の戦いを勇敢に戦ったイエスの兵士達の様に戦わなければなりませんでした! クリスチャンとしてやり遂げる道は他にはありません。 私達はよく聖書ではなく心理的に物事を考えます。 もし私達が聖書に従うならば、クリスチャンが戦わなければならない理由を私達は理解するでしょう。
ある晩、一人の若者が私に、私は自分のことについて多く語る、と言いました。 そして彼は、「なぜなら、この教会は若者の教会だからだ、と私は思います」とその若者は私に言いました。 それはなかなか的を得た洞察力です。 私はしばしば、この教会の若者達を助けるための助言を見出す為に、自分の初期の頃について語ります。 理論についての講義や幾つかの聖句を単に解説する為に、この教壇に立つべきではないと思っています。 私は、どのようにしたら聖書が私自身の生活で、またあなた方の生活に於いて必須であるかを示さなければなりません。 私はこの聖句のテキストを読みます、
“私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです”(エペソ6:12)。
そうして、私はそれがどういう意味であるかをあなた方に語らなければなりません。 そして、どのようにそれが私自身の生活内で真実となったかを、あなた方に語らなければなりません。 「初めから最後に至るクリスチャンの生活は、悪魔や悪霊達との衝突の場、霊的戦いなのである」とあなた方に私は語らなければなりません。 あなた方の苦難が、回心した後に終わると考えないことを望みます! それは単にあなた方の奮闘と戦いの始まりなのです!
リバティー・ユニバーシティのH・L・ウィルミントン教授はこう言いました、
イエスのこの地上での初期の奉仕活動の間に、悪魔による大規模な活動のほとばしりがあった…そして使徒パウロによると[テモテ第一4:1-3]、我々の主の来臨の直前に、悪魔によるその様な最悪な活動が予期されるであろう。悪魔の影響は、多くの大衆的な活動の陰に潜んでいる(H. L. Willmington, D.D., Signs of the Times, Tyndale House Publishers, 1983, p. 45)。
悪魔の活動は、年毎に急速に増しているように思えます。 そのことは私の大学在中にもひどいものでした。 しかし、現在、若者が何らかの形で、ウィルミントン博士曰く、「悪魔による影響」に誘惑されること無くして、公立の大学などに通って行けるか、私には分かりません。 悪魔の目的は、あなた方を俗事と罪に引き込む事です。 “ですから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい”(コリント第一10:12)なのです。 もし悪魔と戦わなければ、私達はすぐにも神との接触を失い始めるでしょう。 そのことが最初に明らかになるのは、あなた方の祈りの習慣です。 あなた方が以前の様に祈ることが出来ないならば、あなた方は神を拒否している、もしくは誘惑に陥っていることの確かな表れです。 トーザー博士の言葉に注目して下さい、彼はこう言っています、
初期の時代には、…我々の祖先は、罪と悪魔をひとつの力なるものとして信じた。そして彼らは、神、義、天国をもうひとつの力として信じた…これらの力は、深く、いかめしく、相い入れない敵意で永遠に互いに向き合っている。人は選択しなければならない―両立することは出来ない。その人にとってそれは生きるか死ぬか、天国か地獄か、とならなければならず、もし彼が、神の側にいることを選ぶならば、彼は、神の敵との開戦を予期するであろう。戦いは真実で致命的となり、[この世]に命がある限り継続するであろう…彼が生きている世界がどのようなものであるかを、彼は決して忘れない―それは戦場であり、多くの者は傷つき、殺されている。…福音の力を通して彼を救う為に、キリストがこの世で奉仕をされた間、悪魔の力は彼を滅ぼそうとする!救出を得る為に、彼は信仰と従順を共にし、神の側に来なければならない。それが、我々の祖先が信じたことであり、我々が信じ、聖書が教えていることである。
今日に於いて、それはどんなにも異なることであろうか…人々はこの世は戦場でないと考えている。我々は、戦いの為にこの世にいるのではない;我々は、戯れる為にこの世にいる[楽しく過ごし、そして気ままな人生を送る為に]…これらが、現代人の考えることである。…この世が戦場ではなく、遊びの場であるという考えが、大半のファンダメンタリスト・キリスト教徒によって、今日受け入れられている(A. W. Tozer, D.D., “This World: Playground or Battleground?”)。
このことは、私達はいかなる楽しみも持つことが出来ないというように思わないでください。 もちろん私達は楽しみます! もちろん私達は親交を持ちます! もちろん私達は食事を共にし、一緒にパーティーも楽しみます! もちろん私達は公園でスポーツもし共に楽しみます。 しかし、それら自体が最後ではありません。 毎回の楽しさと親交の背後には、常に戦いがあることを―そして、クリスチャンの生活は、紛争と戦いの生活であることを、私達は覚えていなければなりません! 私達は楽しみ、そして休息することが出来ます。 そうしてまた、私達は戦いに戻っていくのです。
ですから、私達の教会の若者達は、毎週一時間祈りを共にしています。 祈りは絶対に必要なのです、さもなければ、悪魔は私達を負かすでしょう!
ですから、私達は出て行き、福音を聞かせる為に失われた人達を教会へ導くのです。 伝道は絶対に必要なのです、さもなければ、悪魔は私達を負かすでしょう!
ですから、私はこの説教壇から強い口調で説教をしなければならないのです。 強固な説教は絶対に必要なのです、さもなければ、悪魔は私達を負かすでしょう!
更にもうひとつ、最近、私は自分の説教の弱さを自覚しています。 私がそれにもっと早く気がつかなかったことを、あなた方にわびなければなりません! 先に言ったように、あなた方が回心した時に、クリスチャンの生活の戦いは終わりません! そうではありません! 回心は戦いの始まりに過ぎません! イエスは、“誘惑に陥らないように、目をさまして、祈り続けなさい。 心は燃えていても、肉体は弱いのです”(マルコ14:38)と言われました。 あなた方は、教会に来て、そして回心したように見えますが、あなた方が目を覚まして祈らなければ、誘惑とわなに陥るでしょう。 そうしてあなた方は世俗的になり、救いの喜びを失ってしまうのです。
何人かは木曜日の晩の祈祷会に来なくなりました。 気をつけなさい! あなた方は俗世間への一歩をすでに踏み始めました! クリスチャンの生活は、この世、肉欲、そして悪魔との紛争の生活です。 もしそれを忘れてしまうならば、あなた方はすぐにも悪魔のわなに陥り、この世の邪悪な世界の闇へと押し流されるでしょう。 ある人は、「そう言わないでください! そう言わないでください! それはある人達を恐れさせるでしょう!」と言うでしょう。 そうであるなら、彼らは恐れさせられなければならないでしょう! “招待される者は多いが、選ばれる者は少ないのです”(マタイ22:14)。 もし私が彼らを恐れさせなければ、他の何かが彼らを恐れさせるでしょう! 私がこのような説教で何を語ろうとも、選ばれた人以外は誰も救われないのです!
多くの人達が、私達の教会の存続を危うく犠牲にしようとした大きぼな教会分裂によって押し流されました。 彼らが惑わされたように、あなた方は惑わされてはなりません。 何も変わってはいません! “悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである”(黙12:12)。 あなた方がこの世に自分自身を捧げるものなら、悪魔はあなた方の良心を焼き焦がすでしょう。 そうして、何も私達に戻るようあなた方を説得しないでしょう! そのような人が戻って来たのを、私達は目にしたことがありません! 一人も! “誘惑に陥らないように、目をさまして、祈り続けなさい”(マルコ14:38)。 更にまた、あなた方は恵みによって成長するか、あるいは逆戻りするかのどちらかです! 中立の場はありません! トーザー博士が言ったように、この世は「戦場であり、多くの者は傷つき、殺されている」(同著)のです。
“私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです”(エペソ6:12)。
そうです、悪魔は実際に存在します。 もしあなた方が救われていないならば、悪魔はあなた方の思いに奇妙な考えを入れ込むでしょう。 悪魔は、イエスを信頼することから遠ざけようと、あなた方に“あれ”や“これ”と語るでしょう。 時には悪魔は、イエスを信頼することを怖がらせます。 筋違いではあるけれども、彼らは悪魔を信じ―イエスを拒否します。 あなた方がサタンの誘惑に抵抗し、今イエスに来ますように。 イエスのみが、御自分の尊い血によって、あなた方を罪から清めることが出来るのです。 イエスのみが、この国とこの世の悪からあなた方を救い、守ることが出来るのです。 では起立してソングシートの7番の賛美歌を歌ってください。
聖なる地に、闇の権力をみよ
彼らは、あなたの周りを徘徊する
クリスチャンよ、聖なる十字架の御力のもと
勝利を目指し、立ち上がり、彼らを打ち破れ、
すすめ 主イエスのへいしらよ
みよ じゅうじかは まえにゆく
内に働く、闇の権力を感じよ
罪へと、絶え間なく惑わし、おびき寄せ、捕える
クリスチャンよ、決して震え慄くな
祈りと断食をもって、戦いに備えよ
すすめ 主イエスのへいしらよ
みよ じゅうじかは まえにゆく
偽り話しかける、闇の権力を想え
“眠らず、いつも断食をし、祈れ”と。
クリスチャンは答える、“生きている間、私は祈る”と。
安らぎは戦いの後に訪れ、夜は昼にかわる
すすめ 主イエスのへいしらよ
みよ じゅうじかは まえにゆく
“真なる我が僕よ、我は汝の労苦を知る
疲れ果てるものよ、我をみよ
汝の労苦はいつの日か、汝を我のものとし
悲しみの終わりには、汝は我が御座のもとにいる”
すすめ 主イエスのへいしらよ
みよ じゅうじかは まえにゆく (直訳)
(“Christian, Dost Thou See Them?” translated by John M. Neale, 1818-1866;
to the tune of and with the chorus from “Onward, Christian Soldiers.”)
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(説教終了)
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アベル・プルードホーム氏による説教前の聖書の朗読:エペソ6:10-18。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“Soldiers of Christ, Arise” (by Charles Wesley, 1707-1788;
to the tune of “Crown Him With Many Crowns”).