望まれていない世代

今日、ほとんどの若者たちは孤独を感じています。　あなた方の多くの両親は非常に忙しく、あなた方に費やす時間がありません。　共同生活というものはなくなりました。　家庭というものはなくなり、もしくは破壊されました。　あなた方の世代の五千七百万人は、“手間のかからない”妊娠中絶によって殺害されました。　幼児を持つ事はただ単に“便宜の良い事”では無かったのです―ですから彼らは、出産前に胎児を中絶したのです。　愛情に満ちた家庭をあなた方に備えるには、あまりにも忙しすぎる親達によって、あなた方はほったらかしにされました。　社会学者や心理学者が、孤独は若達の間で、今日の大きな問題となっている、と言うのも不思議ではありません。　そのような孤独は、数年前にグリーン・デイが歌った『ブルバード・オブ・ブロークン・ドリーム（壊れた夢の大通り）』の中に表現されています。

孤独な道を歩く
自分の知る限りの唯一の道
どこへたどりつくかわからない
しかし、それが自分の居場所、そこを独りで歩く
この空しい通りを歩く
眠る街の
壊れた夢の大通りを歩く
ただ一人で、独りで歩く
独りで歩く　独りで歩く　独りで歩く　(直訳)
(Green Day, “Boulevard of Broken Dreams,” 2004).

それは、アメリカ中の―そして世界中の若者達の注目を集めた歌です。　今でもその歌はラジオで流れています。　私はそれを薦めませんが―「独りで歩く・・・この空しい通りを歩く、壊れた夢の大通りを歩く」―それは、あなた方の世代を描写しているのです。

そのように感じた事がありますか？　望まれていない、孤独さを感じた事がありますか？　無理もありません！　アメリカのあなた方の内の五千七百万人が、“手間のかからない”中絶によって、あなた方が産まれる前に殺されているのです。　生きているあなた方は、ほったらかしにされ―夜の道をさ迷う―『壊れた夢の大通り』の独りぼっちの“鍵っ子”なのです。

そしてエゼキエル書第16章で、聖書はこのように言い表しています。

“だれもあなたを惜しまず、これらの事の一つでもあなたにしてやって、あなたにあわれみをかけようともしなかった。あなたの生まれた日に、あなたはきらわれて、野原に捨てられた”（エゼキエル16:5）。

説教者のプリンス、偉大なスポルジョンは、その節について説教しました。　それは、『Ezekiel’s Deserted Infant（エゼキエルの捨てられた赤子）』（Metropolitan Tabernacle Pulpit, September 7, 1862）と呼ばれています。　スポルジョンはこう言いました、

その節は、死なせる為に放置された赤子を表している…その情の無い親は野原に子を置き、まったく気が咎めず；その子は我々の目の前に置かれ、血にまみれ、飢えた野獣にむき出しにされ、［死］を待つばかりである。　多くの異教徒達の国には、林や野原で幼児達を［死なせる］為に置き去りにする、野蛮な習慣が存在していた（同著）。

あなた方が、来週の日曜日の朝にその説教を聞く為に、また戻って来る事を私は望んでいます。　若者達にとって特別な説教になるでしょう。　その説教を聞くために、来週の日曜日の朝に戻って来てほしいです。　あなた方の友達を連れて来なさい。　この教会を若い人達でいっぱいにしましょう！　あなた方が知っている大学生や高校生を皆連れて来なさい。　『壊れた夢の大通り』への解決策がある事を、彼らに知らせまょう！　彼らに、私達のテーマ―『なぜ独りでいるのですか？　家に、教会へ来なさい！　なぜ失われているのですか？　家に、神の御子イエス・キリストへ来なさい！』と知らせましょう！　では今朝、私達のこのテキストから三つの簡単な要点を私は取り上げます。

I. 最初に、あなた方は、失われ、孤独を感じている。

私はそれを確かめる必要はありません。　私は長年に渡り数えきれないほどの多くの若者達と話した事で、あなた方が孤独を感じている事を知っているからです。　ではなぜ、あなた方は孤独を感じるのでしょうか？　その答えは私達の今日のテキストに挙げられています。　もう一度そのことを考えて下さい。

“だれもあなたを惜しまず…あなたにあわれみをかけようともしなかった…あなたはきらわれて、野原に捨てられた”（エゼキエル16:5）。

あなた方は、しばしばそのように感じるのではありませんか？　あなた方は学校へ行きます。　あなたの周りには大勢の若者達が群がっています―しかし、あなたは人ごみの中で一人、孤独を感じるのです。　あなた方はショッピングモールに行き、大勢の人達があなたの周りにいます―しかし、そこでも孤独を感じます。　家に帰っても―誰も、あなたの言う事を聞くために、時間をつくってくれないように感じます。　あなたは独で歩いている。　その様にときどき感じるのではありませんか？

“だれもあなたを惜しまず、これらの事の一つでもあなたにしてやって、あなたにあわれみをかけようともしなかった…あなたはきらわれて、野原に捨てられた” （エゼキエル16:5）。

『壊れた夢の大通り』をあなたが独りで歩く時、そのように感じるのではありませんか？　ダビデは、こう言った時、そのように感じたのです、

“私のたましいに気を配る者もいません”（詩142:4）。

捕らわれた夜、イエスがこう言われた時、彼はそのように感じました、

“弟子たちはみな、イエスを見捨てて、逃げてしまった”（マタイ26:56）。

使徒パウロがこう言った時、彼はそのように感じました、

“みな私を見捨ててしまいました”（テモテ第二4:16）。

そして私達のテキストはこう言っています、

“だれもあなたを惜しまず…あなたにあわれみをかけようともしなかった”(エゼキエル16:5)。

孤独な道を歩く
自分の知る限りの唯一の道
どこへたどりつくかわからない
しかし、それが自分の居場所、そこを独りで歩く

II. 二番目に、神はあなた方が失われ、独りでいる事を望んでおられない。

エゼキエル書第16章6節に耳を傾けて下さい。　これは神がイスラエルに告げられた事ですが、あなた方にも今日告げられている事です。　そのテキストにもう一度耳を傾けなさい、

“わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ』と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、『生きよ』と言った” （エゼキエル16:6）。

ジョン・F・ウォルボード博士は、この節についてこのように解説しました、

頼るものも無く（血まみれで放置され）もがき、奮闘している赤子に、神が気を留められ時、その子を助けに来られたのである。その赤子の命は、神がその子の生存を定められるまで、危機な状態にあった：私は、［血に染まっているあなたに「生きよ」と言った：（John F. Walvoord and Roy B. Zuck, The Bible Knowledge Commentary, Old Testament, Victor Books, 1985, p. 1255）。

この節は、キリストが告げられたたとえ話を、瞬時に私に思い出させました。　プルードホム氏が先ほど読んだように、主は、強盗に襲われ、傷つき、半殺しにされ、エリコへ下る道に放られた人について語られました。　通り過ぎた人は皆、この孤独な、死にかかった人を目にしました。　一人の祭司も彼の近くを通りかかりました。　しかし

“反対側を通り過ぎていった”（ルカ10:31）。

他の人がその道を下って来ました、そして、

“彼を見ると、反対側を通り過ぎて言った” （ルカ10:32）。

しばらくして、最後に 、

“あるサマリヤ人が、旅の途中、そこに来合わせ、彼をみてかわいそうに思い”（ルカ10:33）

彼を介抱しました。　神はその傷ついた人が放置され、道端で死ぬのを望まれなかったのです。　そして、神はあなた方が罪によって死に、地獄で永遠に過ごす事を望んでおられません。　神は、あなた方が孤独で失われる事を望んでおられないのです。

“主は…一人でも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです” （ペテロ第二3:9）。

神はあなた方が孤独で失われる事を望んでおられません、ですから、失われた罪人を救うために、キリストが来られたのです！

III. 三番目に、神は、あなた方を罪と孤独から導き出すために、御自分の御子を送られた。

神は告げられました、

“わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ』と言い”（エゼキエル16:6）。

この節についてW・A・クリスウェル博士は、このように言いました、

子供の頃、価値のない、汚れた者としてのけ者にされたイスラエルは、もし、神が通り過ぎなかったならば、そして彼の恵みと憐れみによって手を差し伸べなかったならば、確かに滅びたであろう（The Criswell Study Bible, note on Ezekiel 16:6）。

そして、神があなた方を救うためになさった事は、正にそのとおりなのです。　聖書の中で最も知られたこの節は、そのことを明白に表しています。

“神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠の命を持つためである” （ヨハネ3:16）。

あなた方の罪を贖い、裁きからあなた方を救うために、神はイエスを十字架の死に送られたのです。　あなた方は罪によって“汚れていた”のです。

“…神のいのちから遠く離れています”（エペソ4:18）。

しかし、神はあなた方を救うためにイエスを送られたのです。　なぜでしょうか？　なぜなら、神はあなた方を愛しておられるからです？　もしあなた方が、私が今朝話した他の全ての事を忘れても、これだけは覚えていて下さい―神はあなた方を愛しておられます！　神は、“私はあなたを愛しているからこそ、私の一人子を、あなた方を孤独、罪、そして地獄から救うために、十字架での死に送った”と言われたのです。　神はあなた方を愛しておられます！　キリストはあなた方を愛しておられます！　そして、この教会にいる私達もあなた方を愛しています！

私達は、大学やショッピングモール、そして通りに出て行き、あなた方に、今朝の教会の集会に来るよう招待しました。　なぜ私達はあなた方を招待したのでしょうか？　なぜなら、キリストが私達にそうするように告げられたからです。　彼は言われました、

“街道や垣根のところに出かけて行って、この家が一杯になるように、無理にでも人々を連れて来なさい” （ルカ14:23）。

そして、それが私達の今朝のあなた方へのメッセージです：『なぜ独りでいるのですか？　家に、教会へ来なさい！　なぜ失われているのですか？　家に、神の御子イエス・キリストへ来なさい！』。

「われにこよ」とイエスきみは　やさしきこえを
なれにかけていまもなを　まちわびたもう
こよ　こよ　つかれたるもの
イエスはあいのてをばのぶ　とくイエスにこよ
   (『「われにこよ」とイェスきみは』
      “Softly and Tenderly Jesus is Calling” by Will L. Thompson, 1847-1909).

教会に来て、私達とひと時を過ごすことは、多くのすばらしい楽しみです。　今夜6時15分から始まる晩の集会にどうして戻って来ないのですか？　どうしてですか？　来週の日曜日の集会に、どうして戻って来ないのですか？　『なぜ独りでいるのですか？　家に、教会へ来なさい！　なぜ失われているのですか？　こころからあなたを愛しているイエスへ来なさい！』。　チャン先生、私達を祈りに導いてください。

（説教終了）
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アベル・プルードホーム氏による説教前の聖書の朗読：ルカ10:30-34。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱：
“Boulevard of Broken Dreams” (by Green Day, 2004)/
“Softly and Tenderly Jesus is Calling” (by Will L. Thompson, 1847-1909).