Sermons in Japanese: THE SAVIOUR’S TRIUMPH!

イザヤ書第53章10節の初めの部分は、キリストの贖罪（なだめ）の死について書かれています。　私は昨晩それについて説教しました。　この聖句の前半は、神の御子の苦悩の背後には、実際にそれを起こされた父なる神が、代行者であることを示しています。　メリル・アンガー博士（Dr. Merrill F. Unger）は、“彼を悩ませる事で、主は彼を砕かれた”（Merrill F. Unger, Ph.D., Unger's Commentary on the Old Testament, Moody Press, 1981, volume II, p. 1299）と言いました。　イザヤ書第53章10節の前半は、

“しかし、彼を砕いて、痛めることは主のみこころであった。もし彼が、自分のいのちを罪過のためのいけにえとするなら・・・”（イザヤ書53：10甲）。

カイルとデリッシュによる旧約聖書の注解書（The Keil and Delitzsch Commentary on the Old Testament ）によれば、

［キリスト］にそのような砕かれた苦しみ、そのような深い悲しみを負わせたのは人間であった；しかし、それを超える何よりもの［動機］は、人間の罪を、彼の御旨、彼の御こころ、そして前もって決められた意図に［貢献させた］神であった（Eerdmans, 1973 reprint, vol. VII, part II, p. 330）。

しかし、私達はイザヤ書53：10の後半の部分で、キリストの苦悩により何が生じたかを理解します。　彼の受難と死は、彼の復活における大勝利と、この地上の彼の民の勝利の土台とされたのです！　起立してその節の後半、“彼は末長く”の部分から読んでください、

“・・・彼は末長く、子孫を見ることができ、主のみこころは彼によって成し遂げられる”（イザヤ書53：10乙）。

着席して下さい。　このテキストから、キリストの苦悩によって生じたすばらしい三つの成果に注意を払ってください！

I.　最初に、その子孫を見ることができる！

“子孫を見ることができ”（イザヤ書53：10）。

それはイエスの死の最初の成果です。　“子孫を見ることができ”。　これはキリストの霊的な子孫を表しています。　何億もの人々がキリストに来て“子孫”となりました。　イエスは次のようにそれを預言されました、

“人々は、東からも西からも、また南からも北からも来て、神の国で食卓に着きます”（ルカの福音書13：29）。

五旬節（聖霊降臨祭）の日以来、世界中を通して数え切れないほどの人々がキリストに来ました。　そして、キリストが天国からこの世に戻られる時には、

“その子孫は地を受け継ごう”（詩篇25：13）。

しかしキリストは、御自分の子孫を見るのに二度目に戻って来られる時を待つ事はありませんでした。　キリストが死からよみがえられた際、直ちに、キリストは彼らをご覧になられ、そして彼らもキリストを見たのです！　使徒パウロはこう言っています、

“また、ケパに現われ、それから十二弟子に現われたことです。その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現われました。・・・その後、キリストはヤコブに現われ、それから使徒たち全部に現われました。そして、最後に、月足らずで生まれた者と同様な私にも、現われてくださいました”（コリント人への手紙第一15：5-8）。

彼の子孫はキリストを見ました。　使徒ヨハネはこのように書いています、

“・・・目で見たもの、じっと見、また手でさわったもの、すなわち、いのちのことばについて”（ヨハネの手紙第一1：1）。

そして、キリストが死からよみがえられた時、彼は御自分の子孫をご覧なられたのです、

“その日、・・・イエスが来られ、彼らの中に立って言われた。「平安があなたがたにあるように。」こう言ってイエスは、その手とわき腹を彼らに示された。弟子たちは、主を見て喜んだ”（ヨハネの福音20：19-20）。

“子孫を見ることができ”。

彼らはイエスを見、イエスは彼らをご覧になられ―そして、彼らは彼の子孫、彼の霊的な子孫でした！　彼が死からよみがえられた時、彼の子孫をご覧になられました！

そうして彼が昇天された後、聖霊の御力が下り、三千人の人達が回心しました。　イザヤ書のこの約束が、再び成就されたのです。　イエスは天から御自分の子孫をご覧になられました。　そして、その事は使徒行伝を通して書かれています。　よみがえられたキリストは、彼の栄光なる王座より、彼を信頼し、彼の子孫となった多くの人達をご覧になられました。

そして、時代を通してそうなのです。　イザヤの預言が成就しているように、イエスは天国より地上に増えた御自分の子孫をご覧になっています。　そのように彼らは、“人々は、東からも西からも、また南からも北からも来て、神の国で食卓に着きます”（ルカによる福音書13：29）。

そうです、その約束は歴史を通し、この地上のあらゆる所で何億回も成就されているのです。

“子孫を見ることができ”。

そして、あなた方が信仰でもってキリストに来る時、彼もまたあなた方をご覧になられます！　回心の瞬間、あなた方は彼の子となり、あなた方は彼の子孫である大勢の人達の中に加わるでしょう―この地上で、そして天国に於いて。

“子孫を見ることができ”。

よみがえられたキリストが、その神聖で栄光なる光景－すなわち、彼を信じるすべての人種ならびに国々の男性と女性が、永遠にキリストに加わる―をご覧になる事は、何と喜ばしい事でしょうか！　そうです、

“子孫を見ることができ”。

ある晩、私は妻と一緒に驚嘆すべきDVDを観ました。　それは、イランの国でイスラム教徒の一人が、また他の一人がキリストに帰依し、クリスチャンになっている姿を描いた映像を写したものでした。　イランのイスラム教徒のとある女性は、“わたしは全ての望みを失いました”、と言ってイエスを信頼しました。　若い男性は、“自分はイスラム教徒でいたくない”と言いました。　その若者もまたイエスを信頼し、クリスチャンになりました。　イランでは、過去1500年の歴史の中のいかなる時代よりも、今日より多くの人達がイエスに拠りどころを見つけています！　イスラム教の国々で、数千人にのぼる若者達がクリスチャンになるために、危険を冒しているのです！　今日、イスラム教の地で数千に膨れ上がっている“彼の子孫”を、イエスはご覧になられています！　私達の説教は、ウェッブ・サイトを通して、アラブの国々へ届いています！

そして、その最後の大勝利の際、キリストがこの地上に彼の王国を建て、治められる為に栄光なる御姿で来られる時、王の王、そして主の主、として再び来られ、

“その子孫は地を受け継ごう”（詩篇25：13）。

そして主の口から、“子孫を見ることができ”と語られるのです！　“『あまねく地のうえ』（Jesus Shall Reign）”を歌いなさい！

あまねく地のうえ
主はおさめたまわん
きしよりきしへと
日のてるかぎりは
(“『あまねく地のうえ』Jesus Shall Reign” by Isaac Watts, D.D., 1674-1748).

II.　次に、その命をながくすることができる！

私達のテキストのイザヤ書第53章10節をもう一度見てください。　そこにはイエスの苦悩と死による、もう一つの大いなる成果があります。

“彼は末長く、子孫を見ることができ、・・・”（イザヤ書53：10、新改訳）。

“その子孫を見ることができ、その命をながくすることができる・・・”（参照：イザヤ書第53章10節、口語訳）。

二番目のキリストの死の効果は、“その命をながくする”（口語訳）ことです。　なぜなら、彼が十字架で死なれた時に彼の生涯が終わったのではないからです。　死によって墓の中で長く留まる事はなかったのです。　三日目に、受難を克服されたキリストは生命をとり戻されました。　彼は死の鉄の鎖を壊し、二度と死ぬ事なく、墓から出て来られました！　“なぜなら、キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、キリストが生きておられるのは、神に対して生きておられるのだからです”（ローマ人への手紙6：10）！

“キリストは死者の中からよみがえって、もはや死ぬことはなく、死はもはやキリストを支配しないことを、私たちは知っています”（ローマ人への手紙6：9）。

“悲嘆なる三日間（The three sad days）”を歌いなさい！

その悲嘆なる三日間は直ちに過ぎ去り；
彼は死から輝かしくよみがえられた：
我々の生きた神に栄光あれ！　ハレルヤ！
ハレルヤ！　ハレルヤ！　ハレルヤ！
（“The Strife is O’er,” 翻訳 by Francis Pott, 1832-1909）。

“その命をながくすることができる”（口語訳）。

“しかし、キリストは永遠に存在されるのであって、・・・彼ら［私達］のために、とりなしをしておられるからです”（ヘブル人への手紙7：24, 25）。

スポルジョン（Spurgeon）は、“彼は、天の絶頂から、地上の多くの御自分の子孫を見［下ろし］ておられる・・・すなわち、天の星の数ほどの、また、数えられない夏の風塵ほどの、多くの主イエス・キリストの子孫を”（C. H. Spurgeon, The Metropolitan Tabernacle Pulpit, Pilgrim Publications, 1978 reprint, volume 51, p. 565）と言っています。

“・・・その子孫を見ることができ、その命をながくすることができる”（イザヤ書53：10、口語訳）。

III.　最後に、彼の成果は栄えるであろう！

起立して“かつ主のみ旨が”（口語訳）の言葉で始まる部分に注意を払いながら、テキスト全体を声を上げて読んでください。

“彼は末長く、子孫を見ることができ、主のみこころは彼によって成し遂げられる”（イザヤ書53：10、新改訳）。

“その子孫を見ることができ、その命をながくすることができる。かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”

（参照：イザヤ書第53章10節、口語訳）。

それは、イエスの死による三番目の成果です：“主のみ旨が彼の手によって栄える”。　スポルジョンはこのように述べています、

彼が死から新しい命へとよみがえられて以来、［1900］年以上経っているが、彼は今でも生きておられる；そして、我々は彼の日々がこの世が存在する限り継続することを知っている。そして最後に、彼が神すなわち天の父へその王国を引き渡されるその時まで、彼の日々は長く続くであろう。“神よ、そなたの王座は永遠なり”、山々は滅びようとも、天が古びた衣服のようにくるまれようとも、そなたは持続される（Spurgeon、同著）。

“かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”（イザヤ書第53章10節、口語訳）。

望ましい御旨、意図、主の目的が、“彼の手によって栄える”。　イザヤ書を通して、神はイエスにこう語られました、

“・・・わたしはあなたを諸国の民の光とし、地の果てにまでわたしの救いをもたらす者とする。」”（イザヤ書49：6）。

“国々はあなたの光のうちに歩み、・・・国々の財宝はあなたのものとなるからだ”（イザヤ書60：3, 5）。

“見よ。ある者は遠くから来る。また、ある者は北から西から、また、ある者はシニム［中国］の地から来る” （イザヤ書49：12）。

“かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”（イザヤ書第53章10節、口語訳）。

数ヶ月前に私達は、『殉教者の声（The Voice of the Martyrs）』の提供による、中国についてのビデオを見ました。　それは、モーゼス・シェイ (Moses Xie)という歳のいった中国人の告白のプログラムでした。　“文化大革命”の際に、彼はキリストの福音を説教したが為に、共産主義者によって二十年以上もの間手錠をかけられたまま牢獄へ入れられました。　その深い絶望の中で、彼は深く意気消沈していました。　その時彼は、イエスの声が、“｢わが子よ、わたしの恵みは、あなたに十分である｣”と彼の心に話しかけられたと言いました。　シェイは心にそれを三度聞いたと言いました。　彼が三度そのことを言った時、三度目には彼は涙で心がはちきれそうでした。　“「わが子よ、わたしの恵みは、あなたに十分である」”。　共産主義国の牢獄の中で、彼を救ったキリストの力について彼が語った時、彼の目は感謝による涙であふれました。

そして、そのビデオは何千人もの共産主義者達が、文字どうり共産党の冷酷な指導者毛沢東を崇拝している場面へと移り変わりました。　彼らが毛沢東を大声で繰り返し賞賛している時、私は“あなた方がいなくなっても、私達は生きるであろう”と思いました。　中国共産党が歴史の中で廃墟となる時、キリスト教はなおもさらに強く生き続けるでしょう。　なぜなら、クリスチャンは今日法外な速さで増えているからです。　“あなた方がいなくなっても、私達は生きるであろう”。　そして、それは地上至る所で起こっています。　キリストの敵対者達がどこにいようとも、私達は自信を持って“あなた方がいなくなっても、私達は生きであろう！”と言う事が出来ます。　なぜなら“かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”からです！

クリスチャン達は、今日の人々の目には卑しく見下されているかもしれません。　今は、私達の主イエスが経験されたように、私達はあざけられ、そして軽蔑されているかもしれません。　しかし、キリストは死からよみがえり、そして“主のみ旨が彼の手によって栄える”のです。　ですから、どんなにキリスト教が見下され拒絶されても、それは“彼の手によって栄える”のです。　そして最後には、

“「この世の国は私たちの主およびそのキリストのものとなった。主は永遠に支配される”（ヨハネの黙示録11：15）。

それから兄弟の皆さん達、私達は、イエスの死は成し遂げられたことを見るでしょう、なぜなら、“かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”からです。　イエスは、この地上の全地を統治されるために、再び来られます！

あまねく地のうえ
主はおさめたまわん
きしよりきしへと
日のてるかぎりは
(『あまねく地のうえ』“Jesus Shall Reign” by Isaac Watts, D.D., 1674-1748).

再び来られる、彼は来られる、
人に拒絶された、正にあのイエス様が
再び来られる、彼は来られる、
御力と大いなる栄光をもって、彼は再び来られる！
(“He Is Coming Again” by Mabel Johnston Camp, 1871-1937).

さて、今朝ここにいるあなた方の中には、私達はどうしてそんなにエキサイトしているのか訝しがる人がいるかもしれません。　“この人達は何に対してそんなに熱情になれるのか？”、とあなた方は思っているでしょう。　“なぜ彼らは拍手喝采しているのか？”　この教会へしばらく来ている人達の中にも、同じように感じている人がいるに違いありません。　あなた方は、“またこれをしなければならないの？　前もそれを聞きました。　なぜそんなにエキサイトしているの？　なぜそんなに夢中になれるの？　招きだけをして、終わらせませんか？”と思っています。　あなた方のある人達はそう感じているのを私は知っています。　“なぜそんなにエキサイトしているの？”　それはあなた方にはミステリーなことです。　あなた方は、エキサイトすることが出来ません！

私は、あなた方が何を感じているのか十分に分かっています。　よいですか、私はバスケットボールのファンではありません。　私にとって、バスケットボールの試合は、何らエキサイトするには当たらないものです！　私にとっては、それはこの世で最も退屈なものです。　しかし、あなた方のある人達には、それは非常にエキサイトするものなのです。　違いはなぜでしょうか？　その違いは至ってシンプルです。　あなた方はバスケットボールのファンで、私はそのファンではないからです！　それほどまでにシンプルなのです。　あなた方は興奮しますが、私は興奮できません。　私達がそのように違って感じることには触れません。　あなた方の育った背景の何かが、あなた方がレイカーズの試合を観る時、あなた方をエキサイトさせます。　私はそれには触れません。　私の中の何かが変わらない限り、あなた方が感じることを、私は感じることができません。

キリストの大勝利もそれと同じなのです。　私達は、キリストの復活と再降臨にエキサイトします。　あなた方はそれについてエキサイトできません。　私達はキリストのファンですが、あなた方はキリストのファンではないからです！　あなた方が、私達がキリストの大勝利について考える時に感じることを感じるためには、あなた方の中の何かが変わらなければなりません。　聖書は、“生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れません。　それらは彼には愚かなことだからです”（コリント人への手紙第一2：14）と言っています。　あなた方は、生まれながらの人間なので、キリストの大勝利は、あなた方にはそんなに重要なことではありません。　あなた方はそれに興奮することはできないのです。　あなた方が、自分自身にキリストの大勝利について興味を持たせるためには、あなた方の中の何かが変わらなければなりません！　私達が感じるように感じるためには、あなた方は回心しなければならないのです！

あなた方は、私達が感じるように感じるべきであることを知っていますが、そのように自分自身を感じさせることができません！　たとえどんなに試みようとも、私達がキリストの大勝利について感じることを、自分自身に感じさせることはできません！　あなた方はそう感じるべきですが、どんなに試みようともそうすることが出来ません。　あなた方は、そうあるべきであるようにはなれません。　それが、罪の悟りに置かれるということなのです！

まだ回心していないあなた方へ、どうか信仰でもってよみがえられたキリストに来ることを懇願します。　あなた方が、彼の尊い御血でもって自分の罪から洗い清められることを私達は促すのです。　そして、伴う犠牲が何であれ、私達と一緒に救い主について行こうではありませんか！　私達は勝者の側にいます、なぜなら、“かつ主のみ旨が彼の手によって栄える”からです。　それゆえ、あなた方がイエスに来て、回心をし、勝者の側につくことを私は促すのです！

つかれしよびとよ
   すくいぬしの
みもとにきたりて
   やすきをえよ
ただ主を、ただ主を
   たよれかし
いま主は、いま主は
   ［キリストは］すくいたまう
(『つかれしよびとよ』“Only Trust Him” by John H. Stockton, 1813-1877).

合唱の部分をもう一度歌いなさい。　私達が歌っている間に、もしあなた方がまだ救われていないのであれば、席を立って集会場の後ろに行ってください。　ケイガン先生が、祈りとカウンセリングできる部屋へ案内します。　歌っている間に行きなさい。

ただ主を、ただ主を
たよれかし
いま主は、いま主は
［キリストは］すくいたまう

リーさん、彼らのために祈りを捧げてください。

（説教終了）
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You may email Dr. Hymers at rlhymersjr@sbcglobal.net, (Click Here) – or you may
write to him at P.O. Box 15308, Los Angeles, CA 90015. Or phone him at (818)352-0452.

クレイトン L. チャン医師による説教前の聖書の朗読：イザヤ書第53章1-10節。
ベンジャミンキンケイドグリフィス氏による説教前の独唱：
“The Strife is O’er” (translated by Francis Pott, 1832-1909).