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大いなる恐るべき神よ-その三 R. L. ハイマーズ、Jr. 神学博士 著 THE GREAT AND TERRIBLE GOD – PART III ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて “大いなる恐るべき神よ”(ネヘミヤ記第1章5節)。 “ああ、大いなる恐るべき神”(ダニエル書第9章4節)。 |
この説教もまたジョン・ライス博士の著作、『The Great and Terrible God(大いなる恐るべき神よ)』 (Sword of the Lord, 1977, pp. 7-38)からおおざっぱに翻案されたものです。
ネヘミヤ記とダニエル書のこれらのテキストは、神は大いなる、恐ろしい神である、ことを私達に告げています。 神について、愛なる神、としてだけ神について語る説教者達は、聖書に忠実ではありません。 神は、裁き、そして復讐をされる神でもあられるのです。 今日、“生ける神のみ手のうちに落ちるのは、恐ろしいことである”(ヘブル人への手紙第10章31節)を説教する説教者達がいたとしても、それはまれです。 しかし、そのような説教(愛なる神としてだけ神について語ること)は神について誤って伝えています。 それは神についての不正直な述べ伝えです。 それは、今にして始まった事ではありません。 エレミヤの時代に、神はこのように言われました、
“ところが、この民には強情な、そむく心があり、彼らはわき道にそれて、去ってしまった。彼らは『・・・われわれの神、主を恐れよう』とその心のうちに言わないのだ”(エレミヤ書第5章23-24節)。
そして、当時の説教者達は、神について誤って述べました。 神はエレミヤに言われました。
“また預言者から祭司にいたるまで、みな偽りを行っているからだ。彼らは、手軽にわたしの民の傷をいやし、平安がないのに『平安、平安』と言っている”(エレミヤ書第6章13‐14節)。
“彼らは主の言葉を捨てた、彼らになんの知恵があろうか。・・・預言者から祭司にいたるまで、みな偽りを行っているからである。彼らは手軽に、わたしの民の傷をいやし、平安がないのに、『平安、平安』と言っている”(エレミヤ書第8章9‐11節)。
“主は言われる、・・・わたしが彼らに与えたものも、彼らを離れて、うせ去った」”(エレミヤ書第8章13節)。
“それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの名によって預言して、『つるぎとききんは、この地にこない』と言っているあの預言者について、主はこう仰せられる、この預言者らは、つるぎとききんに滅ぼされる。また彼らの預言を聞く民は、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに投げ捨てられる。・・・わたしが彼らの悪をその上に注ぐからである”(エレミヤ書第14章15‐ 16節)。
では、どこでこのような邪悪な時代の説教壇で、そのような言葉を耳にする事ができるでしょうか? どこに、大いなる、そして恐ろしいエレミヤの神の、後にやって来る裁きについて私達に告げる説教達がいるでしょうか? しかし、彼らがそれを告げようと告げまいと、神は聖なる、正義なる、大いなる、そして恐ろしい神であられるのです。
“万軍の主、イスラエルの神はこう仰せられる、見よ、わたしは災をこの所に下す。おおよそ、その災のことを聞くものの耳は両方とも鳴る”(エレミヤ書第19章3節)。
先日私は、私が行くジムでジャグジーに入っていました。 そこにいた一人の男性が私に、なぜ私がアメリカは非常な困難の状態であると思ったのか、尋ねました。 私は、“なぜなら、この国は五千四百万人の子供達を殺したからです。 だからアメリカは困難な状態に陥っているのです。 神は、アメリカが全世代の罪のない赤ん坊を虐殺したために怒られているのです。 そして、この大虐殺を終止するための実質上なんの行動も起こしていないアメリカの説教者達に怒られているのです”と躊躇なく答えました。 そこで彼は、“私の母はあなたに同意するでしょう”と言いました。 私は、“神が、彼の憤怒と怒りを私達の国に注がれる時に、あなたも私に同意するでしょう”と答えました。 エレミヤはこのように言っています、
“孤児・・・、しえたげてはならない。またこの所に、罪なき者の血を流してはならない”(エレミヤ書第22章3節)。
“しかしあなたがたがこの言葉を聞かないならば、わたしは自身をさして誓うが、この家は荒れ地となると、主は言われる・・・しかし、わたしは必ずあなたを荒れ地にし、人の住まない町にする”(エレミヤ書第22章5‐6節)。
“そして、忘れられることのない永遠のはずかしめと永遠の恥を、あなたがたにこうむらせる』」”(エレミヤ書第23章40節)。
そのように、エレミヤの恐ろしい神は今日のアメリカに対して告げられておられるのです!
それが、 全人類に裁きをもたらされたノアの大いなる恐るべき神なのです。 それが、罪の為にイスラエルの国民を何度も何度も罰せられた、アブラハムの大いなる恐るべき神なのです。 そうです、それが、バビロニアによるイスラエルの捕囚を預言した、エレミヤの大いなる恐るべき神なのです!
聖書は、ユダヤの民が神の選民である事を明白にしています。 ユダヤ人は神が心から愛しておられる民なのです。 彼らはこの世における神の選民です(創世記第12章1節)。 神は、彼らにカナンの地を永遠なる所有地として与えられました。 神は彼らに、“わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している”(エレミヤ書第31章3節)と言われました。 彼らの背教の時でさえ、神は彼らに、“わたしはあなたがたの夫だからである”(エレミヤ書第3章14節、ホセア書第2章19節参照)と言われました。
かつ、イスラエルの罪に対する神からの罰は、時にはあまりにも激しいものでした。 それは私達を震えおののかすべきものなのです! 荒野のカデシ・バルネアで、イスラエル人達は神を疑いました。 彼らは、不信者の密偵達の言う事を聞き、約束の地へ行く事を恐れました。 そこで神は、それらの反逆者達が死に、彼らの死体が砂漠で腐るまで、彼らを荒野に留め置くと言われました。 神は、不信者達の世代が死んだ後にのみ、彼らの子供達を約束の地へ導かれたのです。 愛する民への神による直接の罰は、誰でも罪を犯しその罪から逃れる事は出来ないという謹厳な警告でした!
イスラエルの子らが金の子牛の周りを裸で踊った後、神はその裁きとして彼らの内の三千を虐殺宣言されました。 “主はこれを聞いて怒りを発せられ、主の火が彼らのうちに燃えあがって、宿営の端を焼いた”(民数記第11章1節)。 彼らがマナ以外に食べ物のない事をつぶやいた時、神は彼らのつぶやいた事で、怒りをはっせられ、彼らに食べられないほどのうずらを下されました。 “その肉がなお、彼らの歯の間にあって食べつくさないうちに、主は民にむかって怒りを発し、主は非常に激しい疫病をもって民を撃たれた”(民数記第11章33節)のです。 何とも恐ろしい、恐るべき神の怒り、そして裁きでしょうか!
そうして、コラ、ダサン、そしてアビラムは、モーゼとアロンに対して反抗しました。 神はモーセに、これらの邪悪な者達から彼の民を引き離すように告げられました。 そして彼らがいた所の地が開き、彼らと彼らと共にいた者達全てをのみ込みました。 彼らは、“皆生きながら陰府に下り、地はその上を閉じふさいで、彼らは会衆のうちから、断ち滅ぼされた”(民数記第16章33節)のです。 更に他の人々はこの裁きに対して、つぶやき反抗しました。 そこで神は疫病を下され、彼らの内の一万四千七百の人々を殺されました! 何とも恐ろしい神、罪に対して怒られる神、罪と反抗に対して彼らに裁きを下された激怒された神!
更に再び、イスラエルの民はマナ以外に食べる物がない事でつぶやきました。 “そこで主は、火のへびを民のうちに送られた。へびは民をかんだので、イスラエルの民のうち、多くのものが死んだ”(民数記 第21章6節)。
後に、人々はモアブの娘達と姦淫を犯そうとしました。 神の裁きは彼らに下され、主の御前で二万四千人のイスラエルの民は疫病で絶たれました!
士師記を読むと、イスラエルの民が何度も何度も犯した罪の為に、神が彼らを敵に渡された事によって、彼らを罰せられた事がわかるでしょう。 “生ける神のみ手のうちに落ちるのは、恐ろしいことである”(ヘブル人への手紙第10章31節)は、何と真実なことではありませんか!その後、イスラエルの民は再び神を忘れ、偶像を拝み、様々な罪を犯しました。 繰り返された警告の後に、イスラエルの北の王国は倒れました。 そうしてユダの南の王国は裁かれ、バビロンの支配下となりました。 エルサレムは滅ぼされました。 城壁は倒されました。 その門や城は焼かれました。 神の宮も滅ぼされました! 残された少数の民は70年間、バビロンによって奴隷とされました。 イスラエルよ、神のあなた方への裁きは何と激しいものであったでしょうか! ネヘミヤがバビロンで、“大いなる恐るべき神” (ネヘミヤ記第1章5節)に祈ったのも驚くべき事ではありません。 ダニエルが遠くの地で、“大いなる恐るべき神”(ダニエル書第9章4節)に向かって祈ったのは驚くべきことではないのです。
神の哀れみによって、神はイスラエルの民の残存者達をネヘミヤとエズラの時代に彼らの土地へ戻されました。 宮は建て直されました。 イエスがお生まれになり、イエスを信じたイスラエルの多くの人々が救われました。 しかし祭司長、パリサイ人、そして他の人達はイエスを拒否しました。
西暦70年に、テトスの支配下のローマはエルサレムを破壊しました。 その都市は凄まじい虐殺で壊滅しました。 ユダヤ人の歴史家、ヨセパス(Josephus)は、百十万人のユダヤ人が虐殺されたと語っています。 その他の五万人は奴隷として売られました。 宮は完全に焼かれました。 神の哀れみによって、1948年に彼らは再び集められ始めるまで、神の民は、地上の全ての国々へと散らされました。 神よ! 大いなる恐るべき神よ! 罪を罰せられないではおられない神よ! これが、“悪しき者、また神を忘れるもろもろの国民は陰府へ去って行く”(詩篇第9篇17節)と明確に警告された神なのです。 大いなる恐るべき神よ! ああ、大いなる恐るべき神!
その事に関して間違ってはなりません! 聖書は、“神は義なるさばきびと、日ごとに憤りを起される神である”(詩篇第7篇11節)と言っています。 あなた方の罪が未だゆるされていないのであれば、そして、あなた方が未だ救われていないのであれば、今朝、神はあなた方を怒っておられます。 あなた方の救われる道は唯一つです。 神はご自分の御子、主イエス・キリストを、十字架で私達の罪の代価を償うためにこの世に送られました。 私を救うためにイエスが死なれた事を知った時、正に自分が彼の手と足に釘を打ちたたいたように、また、正に自分が彼のわき腹を槍で刺したように、私は自分が彼を死なせた事を知りました!
汝への我が罪、我が悲惨なる罪
彼の主なる苦悩;
我が各々の犯罪は打ちつけられた釘、
我が不信は、突き通した槍なり
キリストの受難を軽視してはなりません! イエスは神の怒りを満足させるため、そしてあなた方の罪を償うために十字架で死なれました。 これは、“わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝える”(コリント人への第一の手紙第1章23節)とあるからです。 あなた方は、罪から離れイエス・キリストに拠り頼まなければなりません。 その時のみに、イエスの尊き血が“すべての罪から”(ヨハネの第一の手紙第1章7節)清めるのです。 十字架につけられ、そして、よみがえられたキリストだけが、あなた方をネヘミヤ、ダニエル、モーセ、そしてパウロの大いなる恐るべき神の怒りと裁きから救う事ができるのです。 もしあなた方の身代わりとなって罰されたイエスに、あなた方が来ないならば、大いなる恐るべき神があなた方を罰せられるでしょう。 イエス以外の誰も神の怒りからあなた方を救う事は出来ないのです。 今すぐにイエスに逃避しなさい!
ウィリアム・カウパー(William Cowper/1731-1800)は、“とうときいずみあり そのうちより インマヌエルの血ぞ あふれながる つみになやむもの くぐりいらば けがれはあらわれ しみはけされん”と書きました。 ウィリアム・カウパーは、グリフィス氏が 私がこの説教を始める前に歌った賛美歌をも書きました。
我が抱し望みは失せ
我が恐怖は始まる
あぁ、我が死し身!
犯罪と罪の中で
あぁ、我逃れんか?
雷はとどろき
律法は破滅を宣言し
復讐は戸口にきたり
我が道を思うとき
死がさしせまりし
たが、ささやきの内に
“怒りから逃れよ”と聞く
(“Under Conviction” by William Cowper, 1731-1800).
あなたは、罪の自覚がありますか? あなたの罪は、夜半一人になった時にあなたを悩ませますか? あなたは憤られた神の怒りを恐れますか? あなたの罪がゆるされるために、そしてイエスの御血で清められるために、イエスを必要と感じますか? 大いなる恐れるべき神の怒りから、イエスに逃避しませんか?
(説教終了)
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クレイトン L. チャン医師による説教前の聖書の朗読: エレミヤ書第22章1-6節。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“Under Conviction” (by William Cowper, 1731-1800).